ホームポジションの新築住宅が出来るまで

新築住宅の基礎工事から完成までの工事内容をわかりやすく解説します。

建て方~中間検査編

11.土台工事

基礎が完成した現場に構造部材が搬入され、土台工事が開始されます。基礎天端に「基礎パッキン」と呼ばれる部材を設置し、その上に土台が敷かれていきます。土台は防虫効果の高いヒノキを使用。基礎編でご紹介したアンカーボルトと緊結されます。その後は大引きが組まれ、その下には鋼製の床束が設置されます。

  • 基礎天端に設置された基礎パッキン


  • 基礎パッキンの仕組み1


  • 基礎パッキンの仕組み2


  • 基礎パッキンの仕組み3

【建築士のコメント】

基礎パッキンを使用した工法には大変大きなメリットがあります。この基礎パッキンを使用することで基礎と土台を絶縁することができます。部材には換気用のスリットがあり、基礎と土台の設置面の換気が行えるため、建物の床下を効率よく換気することが出来ます。床下が乾燥することで湿気によるカビ発生を防ぎ、シロアリ対策にも非常に有効です。

しっかり組まれた土台・大引きの間には、断熱材が充填されます。現場で細かいサイズ調整も行われ、隙間無く施工されます。その上には合板が設置されます。頑強な土台と床組みが行われ、使用部材や工事工程もフラット35の技術基準に適合しています。

  • 基礎パッキンの上に組まれた土台と大引き


  • 鋼製の床束が基礎と部材の間に組まれます


  • 断熱材を充填した後は構造用合板の施工


  • 横から見ると基礎パッキンや合板の厚みがわかります

【建築士のコメント】

『構造用合板』は24ミリと厚い床板を使用します。この合板を敷き詰めることで剛性の高い床が完成します。この一連の床組みは『剛床工法』と呼ばれています。

12.上棟工事

1階部分の柱の建て込み開始。通し柱、管柱と次々柱が組み上げられ、梁や胴差しと呼ばれる横架材と補強金物で固定されます。大工さん達のチームワークで効率良く作業が進められます。プレカット材を使用する事で、工期短縮やコストダウン、廃材の抑制などに繋がり、どの現場でも均一で正確な品質を保つ事が出来るというメリットがあります。

  • プレカット材(あらかじめ仕口加工の施された柱)


  • 1階の柱の建て込み


  • 横架材を連携して組上げる


  • 2階天井から棟木までの建て込み完了

【建築士のコメント】

『さげふり』・『屋起こし』という道具を使用して、柱の垂直を確認しながら仮筋交いを設置します。プレカット材の使用で作業効率が上がっていますが、要所では大工さんの熟練の技術によって、ゆがみ無く安定した建物の軸組みが出来上がっていきます。

2階も1階と同様の剛床工法で床が施工されます。床を張り終わると柱が建て込まれていきます。軒桁や小屋梁といった横架材が組まれた後、垂直補正が行われ、仮筋交いが設置されます。さらに『小屋組み』と言われる2階天井から棟木までの建て込みまで、スピーディで正確な作業が続けられます。

13.屋根工事から耐力面材の施工、雨仕舞

上棟を終えると次は屋根にあたる部分を組上げていき、耐力面材施工、雨仕舞と進行します。

  • 垂木が組まれ、その上に野地板を設置


  • アスファルトルーフィング(紫色)が施工され、パラペット部があれば先行して防水シートを貼ります


  • 屋根の施工と並行し、軸組外側に外壁下地用耐力面材が施工されます


  • 耐力面材には耐震・耐火性能の高い資材を使用


  • 屋根にガルバリウム鋼板を施工


  • ケラバに該当する部分の板金施工も正確に行われる

【建築士のコメント】

垂木と呼ばれる部材の上に12ミリの野地板が張られます。野地板の上にはアスファルトルーフィング(防水の下葺き材)が施工されます。さらに仕上げ材として、耐久性、断熱性に優れたガルバリウム鋼板が施工されます。一連の工程は雨水の浸入を防ぐためにとても重要で、現場では入念なチェックが行われています。(※耐力面材、ガルバリウム鋼板については、各支店エリアにより使用有無が異なります。)

14.防水シート施工、木工事

屋根工事が進むと同時に仮筋交いが本来の筋交いに置き換えられ、各柱と筋交いが補強金物でしっかりと固定されます。さらに外壁工事の準備として防水シートで建物が覆われます。防水シートが貼られたのちは、建物内部で本格的に木工事が進行していきます。

  • 筋交いはCADで図面化され、現場で所定の位置へ設置


  • 耐力面材施工ののち、木工事と並行し軸組を防水シートで覆う


  • 補強金物で固定される筋交い


  • 図面を基に必要箇所に補強金物を取付

【建築士のコメント】

建物の耐震性能に大きく影響する筋交いは、CAD作業の時点で正確な筋交い計算を行います。基準に則って位置やバランスを設定し、基準値を満たしているか社内の設計責任者にチェックを受けた上で、図面を施工現場と共有します。
設置された筋交いと柱は専用の補強金物によってしっかり固定されます。補強金物についてもCAD作業の時点でどこにどの金物が必要なのかを算出して図面化され、現場で正確に反映されます。筋交いや補強金物の設置は構造上とても重要なポイントなので、後に行われる検査の対象となります。

筋交いや補強金物の設置と平行して、サッシの取付や、バルコニーの防水工事なども行われていきます。

  • 下地処理を施した後のプライマー(接着剤)塗布


  • 防水層が乾いた後に紫外線に強いトップコートで仕上げ

【建築士のコメント】

バルコニーは、雨水の滞留や水漏れを防止するための専用工事が必要となります。排水口を設置して、ガラス繊維などの強化材を使用した下地材で防水層を作り、最後にトップコートでコーティングします。この工程はFRPと呼ばれ、軽くて強度もあり樹脂もすぐ固まるので、木造住宅のバルコニーには最適です。

15.中間検査

基礎が完成してから多くの工程が効率よく、手際よく行われました。ここで、第三者機関の検査員による「中間検査」が実施されます。

  • 補強金具の位置や状況を図面を見ながらチェック


  • 細かいところも厳格に検査が行われます

【建築士のコメント】

検査では図面通りに工事が行われているかどうか、定められた基準通りに補強金物が設置されているかなど、様々な検査項目があり、問題なければ合格証が発行されます。当社の新築住宅はフラット35技術基準に即した施工を行い、指定確認検査機関の検査を得た上で工事が進められています。

検査で問題なく合格証が発行され、住宅は完成へ近づいていきます。